RubyKaigi 2023 という奇跡

RubyKaigi 2023 ローカルオーガナイザーの cobachie です。

2023年5月11日..13日に長野県松本市まつもと市民芸術館 で開催された RubyKaigi 2023 は盛況のうちに無事終了することができました。 参加していただいたみなさま、本当にありがとうございました。

開催まで何をやってきたか

クロージングで @a_matsuda さんが紹介してくれたように、RubyKaigi を松本で開催したいという話は 2017 年から始まっていたのでした。RubyKaigi 2023 までなんと足かけ 7 年の道のりでした。

今回ローカルオーガナイザーとしてやってきたのは、主に地元の業者さんとの調整やスポンサーによる下見のアテンドです。 具体的には、開催にあたり協力いただいた 松本観光コンベンション協会 との調整窓口、飲食物( 松本ブルワリー のビール、お弁当、おやつ、りんごジュース)の調達、Official Party の計画、宿泊予約サイトの企画、スタッフ60名超の宿泊施設確保、駅の広告企画、スポンサーへの飲食店等の情報提供などなどです。

その他に、運営のお手伝いをしていただくヘルパーの募集から当日オペレーションの計画なども担当していました。

振り返ってみるといろいろやってきたなあ。

当日は何をしていたか

受付や飲食関係、会場誘導などの番長をやっていました。 (「番長」という呼び方は ぷぽ さんが言っていたのを拝借しました。) 番長というのは、何か作業が発生したときに「誰か手伝ってくださーい」とお願いする係で、実際の作業はヘルパーのみなさんがやってくれていました。なんなら言わなくてもやってくれていたので私は名ばかり番長でしたが、ヘルパーのみなさんの練度が高くて本当に助けられました。受付まわりの運営が無事に進行できたのはヘルパーのみんなのおかげです。

その他にオーガナイザー業とは関係ないのですが、RubyKaigi 2023 直前に著者として参加した『はじめてつくるWebアプリケーション 』という本が出版されまして、会場で開催されたいろんな本の著者たちによる合同サイン会にも参加させていただきました。

わたしは運営業の合間をみてちょっとだけ参加させてもらって、生まれてはじめてサインをするという貴重な経験をさせていただきました。 本を購入いただいたみなさま、本当にありがとうございました! (不在が多かったのでわたしのサインだけないという方もいるかも...? 次の何らかの機会にお声がけいただければよろこんで書かせていただきます。)

反省

はじめて番長をやらせてもらって気持ち的な余裕がなかったためか、所属する会社 の CEO に「顔がこわくなっているぞ」と指摘されて、それで受付にいてもあまり話しかけてもらえなかったのかな...と反省しました。 来年はもっとみんなに話しかけてもらえるようににこにこしていこうと思います。( @sora_h さんみたいにPCに「ヒマです」って貼っておくのもやろうかな...)

泣いちゃった瞬間

期間中には感動した瞬間が何度かあったのですが、特に泣いちゃった瞬間3つを紹介します。

泣いちゃった(1)

デザイナーの attsumi の家族とお話する機会があり、開催に向けて準備をがんばっていた様子を少し聞くことができました。 in-person で参加してくださった方は、会場の大階段やスポンサーブースの装飾が素晴らしかったのはご存知かと思います。その他にも公式サイト、公式ノベルティ、駅の広告、松本ブルワリーのラベルデザイン、Official Partyデザインなどなどたくさんのデザインが必要だったのですが、すべて attsumi がひとりでこなしてくれました。 大変だというのがわかっていたので、あらためて attsumi のがんばりを知って感動して泣いてしまったのでした。

泣いちゃった(2)

研鑽Rubyプログラミング』の原著者 Jeremy Evans さんと訳者の 角谷さん さんからサインをもらいたいけど、購入した本を控室に取りに行く余裕がなくてサインがもらえない...! と焦っていたところ、原著『Polished Ruby Programming』をプレゼントしていただきました。 写真はいただいた本に特別におふたりのサインをもらってにこにこの私です。角谷さんの「RubyKaigi 2023 ありがとう」のメッセージに泣いちゃいました。 RubyKaigi が落ち着いたら『研鑽Rubyプログラミング』と『Polished Ruby Programming』をじっくり読みます!

泣いちゃった(3)

クロージング後のお見送りをしているときに @koic さんから感謝の気持ちを伝えていただきました。

おそらくこのツイートの直後だと思いますが、ツイートだけでなく直接伝えていただけてうれしすぎて思わず泣いちゃいました。がんばって準備して無事開催できて本当によかったと思えました。

最後に

昨年の津での開催を経て、RubyKaigi 2023 では COVID 前と同じくらいのコンテンツを提供することができました。 この規模のカンファレンスを少人数でしかもボランティアベースの運営チームで開催できたのは本当に奇跡です。 チームのみんなのがんばりは言うまでもなく大変なものでしたが、隣にいる家族や同僚の支えがあったからこそやってこれたのだと思います。

そして RubyKaigi はわたしたちチームだけでは成り立ちません。コミッター、スピーカー、スポンサー、参加者のみなさまに参加いただいたからこそ実現できた奇跡の3日間(Day 0, Day 4も含めると5日間)でした。 RubyKaigi 2023 に参加いただき本当にありがとうございました。

RubyKaigi 2024 で再会できるのをたのしみに、362日の Rubyist としてすごしていきましょう。

2022年のふりかえりと2023年の抱負

あけましておめでとうございます。

2022年のふりかえりと2023年の抱負です。

2022年のふりかえり

全体

個人的には変化の少ない年でした。 一方で家族に変化があった年だったので、自分が落ち着いた環境にいて対処してこれたのはよかったです。 自分のことが後回しになりがちで、特にコミュニティ方面のいろいろが後手になってしまい関係者各位にはお手数をおかけすることも多かったと思います。2023年はもう少し自分のやりたいことに時間をつかっていきたいです。

仕事

見積前に期日が決められている仕事が多く気忙しい1年でした。 そんな中でもチームみんなで目標を達成してこれたのはとても価値があることでした。組織というものに関心を持つきっかけにもなりました。ただ「やるべきこと」が多くて「やりたいこと」や「新しいこと」にはあまりチャレンジできなかったので、終わってみると達成感は少ない1年になってしまいました。

生活

家電をいろいろ購入しました。

特に洗濯乾燥機は2022年の買ってよかったものNo.1です。

家族

5月に夫が怪我をしました。 病院にかけつけて「命に別状はありません」と言われるという実績を解除しました。 結構大きな怪我だったのですが奇跡的な回復力をみせて、1週間くらいで退院できたのでよかったです。(最初は最低2週間と言われていた) 傷がもうちょっと深かったら命の危険もあったらしく、もしものことを考えると今でもヒヤッとします。

9月に近親者が亡くなりました。 生前もよく会っているわけではなかったから訃報を聞いても現実味がなかったし気持ちが表出することもなかったのですが、ふとしたときに悲しさを感じることがあります。これはしばらく続きそうな気がするので、時間をかけて自分の気持ちを見守っていきたいです。

11〜12月は夫が転職を決めて有休をとっていたので、ふたり+犬で過ごす時間が増えました。 これまでは休日が違ったのでふたりとも大体家にいるという状況が新鮮でした。 転職後は夫も土日祝日休みになるので、これからは週末のお出かけもしやすくなりそうで楽しみです。

夏頃に病院で尿路結石(ストラバイト尿症)と膀胱炎の診断を受けました。 それから食事療法と投薬で治療を行ってきましたが、年末の経過観察で結石が消えたことを確認してもらいました。 犬が大好きなおやつを我慢したりお薬を飲んだりとがんばってくれたおかげで、完治といえる状態まで改善できて本当によかったです。 今回もっと早く病院に連れて行ってあげればよかったなあとすごく後悔したので、これから異変や不調を感じたら早めに病院を受診しようと思いました。

11月にはSUZURIのドッグTシャツのメディアで着用モデルとして出演してもらいました。

suzuri.jp

健康

夏頃から家でお酒を飲むのをやめました。 やめる前は1日ビール1缶くらいを飲んでいたのですが、健康のことを考えてやめてみました。 お酒は好きなので飲み会のときは飲みますが、2〜3杯飲んだら満足するようになりました。

もともとロングスリーパーなので、睡眠時間を確保するために早く寝るようにしました。 最近は23時頃にはお布団に入って、7時頃起きる生活をしています。

2022年はじめに「3kgやせる」という目標をたてたのですが進捗なしでした。どうしたらやせられますか。

趣味

ポッドキャストてくてくラジオ」を継続して配信できました。 ゲストに出演してもらえたのがすごく楽しかったです。

2022年後半はカンファレンス準備やコミュニティ参加などの優先度が下がってしまい、あまり手をかけることができませんでした。

2023年の抱負

全体

時間的にも気持ち的にも「余白」を大切にしたいです。

余裕ができたら、やりたいこともできるし周りの人にやさしくなれる気がするので。

仕事

「忙しい」をやらないようにしたいです。

生活・家族・犬

快適に毎日を過ごせるように自宅の環境をよくしたいです。 具体的には、2022年末に改築したウッドデッキをくつろげるスペースにしたり、寝る環境を改善することを考えています。

夫が転職してリモートワーク&土日祝日休になるので、週末の一緒にすごせる時間を楽しみたいです。 犬と3人で近場の旅行やキャンプに行きたいです。 犬は1月で10歳になるので(人間でいうと60歳くらいらしい)あまり無理はさせないようにしようと思います。

健康

今年こそ3kgやせたいです。

あとは、ここ数年行けてなかった登山を再開しようと思っているのと、ジョギングの習慣をつけたいです。ジョギングが習慣になったらやせそうですね。

趣味

コミュニティ活動ではRubyKaigi 2023とKaigi on Rails 2023の準備をやっていきます。 みんなが集って楽しそうにしている様子を眺めるのが好きなので、当日を楽しみにしてがんばるぞ。

そして、インプットとアウトプットを増やしていきたいです。

2023年もどうぞよろしくお願いいたします。

Rails Girls とわたし

この記事はRails Girls Japan Advent Calendar 2022 11日目の記事です。

昨日は @maimux2xさんの「Rails Girls Gathering Japan 2022での発表を振り返って - 出る杭は打たれない」でした。Rails Girls Gathering Japan 2022にご登壇いただき本当にありがとうございました!

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今年2022年は日本で最初のRails Girlsが開催されてから10周年になります。 それを記念して #rgjp10th というハッシュタグでメッセージを募集しています。(これまでに投稿されたメッセージは特設ページで見ることができます。)

わたしはRails Girlsへの思いを140文字にまとめられなそうなので、ブログの形でRails Girlsとの関わりについて振り返ってみようと思います。

じぶん年表

Rails GirlsやRubyコミュニティとの関わりの歴史をピックアップして書き出してみました。

2014年3月 Rails Girls Nagoya 1st 参加

当時勤めていた会社でRubyを使うことになったときに、先輩から「Rails Girlsっていうコミュニティがあるよ」と教えてもらい参加者として応募してみました。 応募した時の意気込みに「地元でも開催したい」と書いたことで、参加者ではなくスタッフとして参加させていただくことになりました。 はじめましての私に対してもお客様扱いではなく運営チームのメンバーとして接していただき、とても居心地がよかったという記憶があります。私にとって初めてのRubyコミュニティ参加でしたが「こんな世界もあるんだ」と自分の世界が広がった気がしてとてもうれしかったです。

2015年3月 Rails Girls Shiojiri 開催

初めてオーガナイザーとしてイベントを開催しました。 何もわからない状態だったので、気負いがすごくて大変だった記憶があります。無事開催できてよかった。

cobachie.hateblo.jp

2016年9月 RubyKaigi 2016 参加

初めてのRubyKaigi参加でした。 RubyKaigiが地方で開催されるようになり、エモリハウスもこの年から開催されるようになりました。 エモリハウスのおかげでぼっちの不安がなかったので参加しようと思えました。エモリハウスは偉大です。 2016年以降、RubyKaigiには毎年参加するようになりました。

2018年6月 Rails Girls Japan メンバーになる

RubyKaigi 2018Rails Girls Japanのみんなと話して、Rails Girls Japan Teamに参加することになりました。やっていき!

github.com

2019年5月 Rails Girls Nagano 1st を開催

長野県で2回目の開催をしました。 1回目よりは肩の力を抜いて臨めたと思います。 3回目はいまのところ計画できていないけど、またやりたいですね。(長野県で開催したいという人がいたらぜひお声がけください!)

note.com

2020年 RubyKaigi 2020 Local Organizer

残念ながらCOVID-19により開催できませんでしたが、RubyKaigiの運営に参加したことで、運営の大変さと楽しさを知ることができました。

note.com

2022年10月 Kaigi on Rails 2022 Organizer

お声がけいただき運営に参加することになりました。 2022年はあまりよい働きができなかったのですが、2023年はオフラインとオンラインのハイブリッド開催を目指しているので、特にオフライン面でRubyKaigi運営の経験を活かせたらと思っています。

2023年5月 RubyKaigi 2023 Local Organizer

今度こそ開催したい!やっていき!

cobachie.hateblo.jp

Rails Girlsから受けた影響

  • Rails GirlsをきっかけにRubyKaigiやKaigi on Railsなどのカンファレンスに参加したり地域.rb(Nagano.rb)を開催したりして、たくさんのRubyistに出会うことができました。
  • ジェンダーアファーマティブ・アクションについて興味を持つきっかけになりました。
    • 「おんなのこだから文系でいい」「おんなのこだから親元で暮らすのがいい」「結婚して子供を生んで家庭をまもるのが役目」というそれまでの既成概念を疑うきっかけになりました。引き続き勉強して、マイクロアグレッションに気付き嫌なことにはNoと言える人になりたいです。
  • Rubyコミュニティが好きになり、Rubyistが集まる場をつくるお手伝いをしたいと思うようになりました。
    • いまはRails Girls Japan、RubyKaigi、Kaigi on Railsの運営チームに参加しています。最近は自己紹介で「コミュニティやカンファレンスの運営が趣味です」と言うようになりました。

Rails Girlsに参加したことから環境も内面的にも世界が広がっていて、大げさではなく人生が変わるきっかけになりました。

これから

自分がこれまでRails Girlsからもらってきたチャンスを、Rails Girlsに参加する人たちにも提供できるように引き続きRails Girls Japanのメンバーとして活動していきたいと思っています。 世の中にはまだまだ「おんなのこだから〇〇」みたいな考え方が根強いですが、Rails Girlsを通して「自分のやりたいことをやっていいんだよ」「プログラミングという世界もあるんだよ」ということを伝えていけたらうれしいです。

gathering.railsgirls.jp

引き続きRails Girlsへのメッセージをお待ちしていますので、ぜひ #rgjp10th というハッシュタグでツイートしてくださいね!

RubyKaigi 2022 に参加してきた

2022年9月8日〜9月10日に三重県総合文化センターで開催された、RubyKaigi 2022に参加してきました。 COVID-19の影響で2020年、2021年はオンライン開催だったため、in-personでの開催は2019年以来3年ぶりでした。 わたしは2019年に続き今回も当日ヘルパーとして運営のお手伝いをしてきたので、その様子を振り返りたいと思います。

当日ヘルパーとは

開催日当日に会場で運営のお手伝いをするスタッフです。 事前に募集があるので申し込むとなれます(選考あり)。 募集フォームに次のようなメッセージがあったのですが、まさに自分のことだと思ったので応募しました。

特に、RubyやコミュニティやKaigiが大好きすぎて普通に一般参加するだけでは物足りないような方からのご応募をお待ちしております。

私の場合は加えてKaigi Teamが好きというのもあるなと思いました。

やったこと

私は受付のイレギュラー対応を行いつつ、ランチ会場の整備やごみの片付け、会場のドア係、同時翻訳レシーバーの回収などなど、気づいたところをなんとかするみたいなことをしていました。 ヘルパー2回目ということで全体の流れを少し把握できていたので、気付けることも多少あったかなあと思っています。

一方でセッションはほとんど聞けませんでした。 時間的な余裕はあったものの、いろんな方々とお話する時間を優先したり、ヘルパー作業後の疲労感によって難しい話を集中して聞く身体的な余裕がなかったなあと思っています。 アーカイブ動画が後日公開されるようなので、後でゆっくり見てキャッチアップしようと思います。

補足しておくと、ヘルパーもセッションを見る時間はあります。 毎日のスタッフミーティングでも、Organizers からは「みんなセッションを見に行ってね、働きすぎないでね、休んでね、RubyKaigi をたのしんでね」という声がけをいただきました。 運営のお手伝いをしながらコンテンツも楽しむことは可能です、という点は強調しておきたいと思います。

そして RubyKaigi 2023 へ

クロージングで RubyKaigi 2023 の開催が発表されました。 開催地は2020年にキャンセルになった長野県松本市です。 はいそうです、私の住んでいる場所です。

会場でお会いしたたくさんの方から「2020年は残念でしたね、松本に行きたかったです」という言葉をかけていただきました。 その都度「またいつか挑戦したいです」というお返事をしていたのですが、実は来年開催できることになったのでした。 (クロージング前にはお伝えできず、はぐらかした感じになってしまったのですがお許しください🙏)

この2年あまりで完全にオンラインに慣れたと思っていましたが、久しぶりに in-person のカンファレンスに参加してみると、自分が isolated を感じていて、足りなかったものはこれだったんだ、ということにあらためて気づかされました。 現地参加されたみなさんも同じ気持ちで楽しんでいただけたに違いないと思っています。 そして、今年はオンライン参加された方の中に来年こそは現地参加したいと感じてくださっている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

私は2020年に続いてローカルオーガナイザーとして運営に関わらせていただく予定ですので、来年は松本でみなさんをお待ちしています。

来年こそ、松本の街が Rubyist であふれる様子を見たいです。

来年こそ、Matz本でお会いしましょう。

ImageMagick で写真から被写体を切り抜く

ImageMagick に入門して遊んでみています。

今回は学んだコマンドを使って、写真から被写体を切り抜くのを ImageMagick を使ってやってみました。

使うのは自分のアイコン画像です。背景が単色(ぽい)で処理しやすそうだったので。

1. JPEGPNG に変換する

今回は背景を透過したいので、まずオリジナルのJPEGからPNGに変換します。

$ magick original.JPG -strip original.png

普通に変換したら以下のようなエラーが出てしまったので、-strip でプロフィール情報を取り除きました。

$ identify -verbose original.png
...
identify: invalid profile length `original.png' @ warning/png.c/MagickPNGWarningHandler/1748.

f:id:co_bachie:20220213162124p:plain:w200
original.png

2. マスク画像を作成する

$ magick original.png -blur 10x5 -threshold 90% -transparent "#FFFFFF" mask.png

オリジナル画像の背景はクリーム色1色に見えるのですが、うっすら影みたいなものが写っていたりして、そのままでは二値化したときにごみが残ってしまいました。

そのため、まずぼかしをかけてごみを除去してから画像を二値化し背景領域を透過する処理をしました。

ぼかし

ImageMagick にはぼかしのオプションがありますが、今回はノーマル(?) な -blur を利用しました。

引数には {radius}x{sigma} を指定します。radius はぼかす範囲、sigma はぼかし量(σは標準偏差なので散らばり具合かな)です。

二値化

画像の二値化というのは、その名の通り画像を白と黒の2色のみに変換する処理のことです。

今回は -threshold オプションを使って、しきい値を超えた値は最大値(255 == 白)に、それ以外は最小値(0 == 黒)に変換する処理をしました。

しきい値は手探りでちょうどいい値を探しました。

背景領域を透過

二値化することで、被写体が黒 #000000、背景が白 #FFFFFF に置き換わったので、背景の白の部分を -transparent オプションで透明にしました。

f:id:co_bachie:20220213161936p:plain:w200
mask.png

3. 被写体を切り抜く

$ magick composite -compose DstIn mask.png original.png -alpha Set out.png

-compose オプションを使ってマスク画像とオリジナル画像を重ねます。 -compose の方法はいろいろあるので詳細は こちら を参照してください。今回は DstIn を使って2画像の重なる領域を取得しました。

そして最後に、新しく生成した画像で背景の透過を維持するために -alpha オプションを指定しておきます。

f:id:co_bachie:20220213161428p:plain:w200
out.png

おまけ

つくった画像でアクキーつくりました。

suzuri.jp

Shotgun チェリーパイを組み立てた

2022 年ひとつ目のキーボード Shotgun チェリーパイを組み立てました。

shotgun cherry-pie

booth.pm

Shotgun チェリーパイ は Raspberry Pi Pico を使うテンキーキットです。

Raspberry Pi Pico は PRK Firmware が使えるので、今回も Ruby でキーマップを書こうと思います。

組み立て

github.com

Shotgun チェリーパイは最大 5 つまでロータリーエンコーダーを搭載できるということで自分で好きなレイアウトを決められるのですが、私はひとまず全部キースイッチで組み立ててみました。

LED は裏面のみ 12 個 取り付けました。

キーマップ

実装したキーマップはこちら

レイヤを切り替えてメディアコントロールや矢印キーなどを使えるようにしました。

あと私はキーボードは光らなくてもよい派なので LED の ON / OFF を切り替えられるようにしておくのも大切です。

キースイッチ

購入時には気付いてなかったのですが Cherry MX ホットスワップソケットがキットに含まれています。 ということでキースイッチはおためし用に購入してあったいろいろなキースイッチをつけてみることにしました。

キー キースイッチ タイプ 重さ(Bottom Out)
. Everglide Aqua King キースイッチ
(クリア)
リニア 62g
0 Everglide Tourmaline Blue Cyan V2.5 キースイッチ
(トルマリン/ホワイト)
リニア 62g
1 DUROCK L1 キースイッチ
(クリア/クリーミーイエロー)
リニア 55g
2 DUROCK L2 キースイッチ
(クリア/クリーミーグリーン)
リニア 62g
3 DUROCK L3 キースイッチ
(クリア/ピンク)
リニア 65g
4 DUROCK L4 キースイッチ
(クリア/クリーミーパープル)
リニア 67g
5 DUROCK L5 キースイッチ
(クリア/ライトブルー)
リニア 67g
6 DUROCK Dolphin サイレントリニアスイッチ
(クリア/ブルー)
リニア 62g
7 DUROCK L7 キースイッチ
(スモーキー)
リニア 67g
8 Gateron サイレントキースイッチ Clear リニア 35g(押下圧)
9 DUROCK DayBreak サイレントリニアスイッチ
(スモーキー)
リニア 67g
Enter DUROCK POM T1 Sunflower タクタイルスイッチ
(グレー/イエロー)
タクタイル 67g
+ DUROCK T1 Shrimp サイレントタクタイルスイッチ
(ブルートルマリン/クリア)
タクタイル 67g
- DUROCK Burgundy ライトタクタイルスイッチ
(スモーク/茶)
タクタイル 67g
* DUROCK Full POM スイッチ
(ブラック/ホワイト)
リニア 63.5g
/ DUROCK T1 キースイッチ
(クリア)
タクタイル 67g
Space DUROCK Koala キースイッチ
(クリーム)
タクタイル 67g
BackSpace DUROCK ミディアムタクタイルキースイッチ
(クリア/パープル)
タクタイル 67g

打鍵感をためしまくって、いまのところ DUROCK Full POMDUROCK Dolphin が好きな気がしています。

いまメインで使っている 7sPro には Kailh Box Red をつけているのですが、オンラインミーティングのときマイクが打鍵音を拾ってしまうためサイレントスイッチへの切り替えを検討中なので、DUROCK Dolphin は候補になりそうです。

感想

徐々にキーボードの組み立てに慣れてきた気がする。

Cassette42 を PRK Firmware で動かす

この記事は PRK Firmware Advent Calendar 2021 23日目のエントリです。

昨日は eswai さんの「PRK firmwareをbuildする」でした。

こんにちは、cobachie です。

meishi2、7sPro に続く3つ目のキーボードとして、Cassette42 というメディアパッドを組み立てました。メディアパッドというのは、Spotify などの音楽ストリーミングサービスで音楽を聞くときに便利なキーボードで、再生 / 停止やボリュームなどを操作するものです。

このキーボードを選んだのは、

  • ロータリーエンコーダーや OLED を使ってみたかった
  • 見た目がかわいい

からです。

f:id:co_bachie:20211218170305p:plain

用意したもの

Cassette42

Cassette42 キット

SparkFun Pro Micro RP2040

RP2040搭載 SparkFun Pro Micro

ロータリーエンコーダーのノブ

ロータリーエンコーダー用つまみ・ノブ「ニブルス・メキシカン15」【オフホワイト色】Dシャフト(平軸)6mm径対応 を買いました。

ロータリーエンコーダーのノブはかわいいものを見つけるのが難しかったです。かわいいノブの探し方をご存知でしたらぜひおしえてください。

キーキャップ・キースイッチ

TALP KEYBOARD さんで買ったおためしセットのタクタイルキースイッチを付けました。

キーキャップは 7sPro で使った NP PBT Crayon KEYCAPS SET に入っていたハートのキーを使っています。

組み立て

ビルドガイド を見て進めました。タブのない LED のはんだ付けは初めてでちょっと苦労しました。

PRK Firmware で動かす

組み立てた後、まず QMK Firmware で動くのを確認してから PRK Firmware でも動かしてみることにしました。

なんとバージョン 0.9.9 でダイレクト型に対応できるようになったので Cassette42 も動かせるようになりました。大感謝です👏

github.com

PRK Firmware はまだ OLED には対応していないので、今回はキースイッチ、ロータリーエンコーダー、LED の操作をできるようにしました。

keymap.rb

  • キースイッチ
    • 左から 再生 / 一時停止ミュート前のトラック次のトラック
  • ロータリーエンコーダー(左)
    • 音量調節
    • 押したときは ミュート
  • ロータリーエンコーダー(右)
    • LED の色を変える
    • 押したときは LED の ON / OFF 切替

mruby girls のこと

私が自作キーボードをはじめたのは、RubyKaigi Takeout 2021 の hasumikin さんの発表 「PRK Firmware: Keyboard is Essentially Ruby」 がきっかけでした。

それまでも友人の emorima が沼にはまっていっている様子は見ていたのですが、自分自身は「はんだ付けをやったことないし、私にはHHKBがあるし..」と踏み出せずにいました。ですが、この発表を見て「Ruby で動くキーボードがほしい!」と思いとうとう始めてしまいました。

そして hasumikin さんのスライドに mruby Girls の名前が登場していたのを見て mruby girls の活動もはじめています。 今のところ月イチで自作キーボードやりたい人たちが集まって、ゆるゆるとキーボードの話をしたり、キーボードを組み立てたり、キーボードの買い物をしたりする会になっています。

次回の開催は 2022年1月23日(日) 10:00~12:00 です。

名前は mruby girls ですが性別不問なので、興味のある方のご参加をお待ちしています。場所は Rails Girls Japan の Discord です。(Discord のリンクはお近くの Rails Girls 関係者に聞いてください。)

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明日、明後日は hasumikin さんです。 いよいよ 1.0.0 がリリースされるのでしょうか !? たのしみです。